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ハロゲンランプヒーター

光加熱用ハロゲンランプ(ランプヒーター)


Characteristics

特性

ハロゲンランプヒーターは熱媒体なしで直接加熱するため、安定して完全なクリーン加熱や真空中での加熱が可能です。
また、ほぼ瞬間的に光出力が立ち上がり、電圧コントロールで簡単に精密な出力制御が可能です。

空・水冷式反射ミラーを取り付けることにより熱を集中(フォーカス)、放散(パラボラ)することも可能で、局部加熱、表面加熱、塗装乾燥、フィルムの熱延伸、起毛された繊維の凹凸加工など、あらゆる用途に使用されているヒーターです。また、曲加工を施し純水加熱用にも使用したり、集光させるため、コイルを小さくして、集光効率を上げる事も可能です。ハロゲンヒーターは形状の自由度が非常に高いため、様々な形状に対応可能です。

フィラメント(光源)は、2500℃〜3000℃に達します。この光をうまく集中させると最高1300℃〜1500℃程度までクリーン加熱できます。その上温度は電圧調整で精密に0〜MAX.までコントロール可能です。

点集光ユニット用100V-2KW

ランプヒーター使用のスポットヒータ

ハロゲンスポットヒーター HSH-160用のランプヒータ100V-2000Wと100V-2500Wがあります。
アルミ製ベースに対して正確にフィラメントの位置決めをしています。

ラインヒーター用 200V5KW

ランプヒーターを使用したラインヒータ

最も強力なハロゲンランプヒータ200v-5kw 発光長250mm 色温度2950K

各種ハロゲンランプ

ハロゲンランプをヒーターとして使用した場合に「ランプヒーター」と呼んでいます。基本的に照明用ハロゲンランプとの差はありません。
ハロゲンランプはタングステン製フィラメントに通電してそれを高温にし、そこから放射される光(波長は近赤外域~可視域の電磁波)を利用するものです。可視域の光に変換する効率は10%以下と非常に効率が悪いのですが、赤外域の光を含めた全電磁波に変換する効率は90%前後となり、非常に効率の良い加熱手段となります。
ただし、総合的な熱効率を考える場合にはランプから放射された光を目的の加熱対象にいかに集中させるか、という効率に加え、その加熱対象が照射された光の内の何%を吸収するか(吸収率)が重要です。

概算値は以下の通りとなります。

ランプが電力を光にする効率約85%
凹面鏡を使って加熱対象に集中させる効率約50%
加熱対象の吸収率ステンレス光沢面約30%
ステンレス酸化面約80%
白い紙約10%
黒い紙約10%

上記の通り、ハロゲンランプに供給された電力(エネルギー)を加熱対象に与える効率は40%程度となります。

さらに、そこから加熱対象物は吸収率分しか吸収してくれませんから、総合的な熱効率はステンレス酸化面などでも30%前後、ステンレスの光沢面なら10%程度の総合熱効率にしかなりません。                    
                              
しかしこれでもオープンな系としては良好な熱効率です。さらにハロゲンランプはそれ自身の立ち上がり時間がほとんどゼロで瞬時に立ち上がりますから、不必要なときには電源をOFFしておけば良いわけで、この様な理由から非常に熱効率の良い加熱方法として定着しています。                            
                                 
凹面鏡を使った加熱に使うランプとしては「点加熱」と「線加熱」でランプの形が異なります。点加熱にはフイラメントもできるだけ点に近いものが好ましく、縦横比が1~2の短いフィラメントを球形または短い円柱形の石英管に封入したものが使われます。                
                              
線加熱用には細長いフィラメントを細長い石英管に封入したものです。      
                              
点加熱用は大電力のものが作りにくく、最大2kw程度です。線加熱用は長さ1m~2mで10KW以上のものも作れます。ただしランプは電流容量に限界があり、太いサイズを使っても25A程度が限界なので、5KWを大きく超える様なランプの場合、定格電圧を400Vとかにする必要があります。 

点加熱用ランプには点灯方向の制限が無いものが多いですが、線加熱用の長いランプは水平点灯が基本です。垂直や斜め点灯には特別仕様品での対応となります。しかし対策を行ったとしても斜め点灯や垂直点灯は各種トラブルを起こしやすいので、できるだけ避けて下さい。

ハロゲンランプは電圧を変化させると各種の特性が変化します。最も大きく変化するのは寿命であり、電圧を10%下げると寿命は約3倍になります。

ランプ寿命はフィラメントの温度(色温度)でほぼ決定されます。3000Kで約1000時間であり、3200Kで100~300時間となります。温度が3000Kより大幅に低い時の寿命は計算上極端に長くなりますが、フィラメントの計算寿命が長くなっても各種の要因でランプとしての寿命は計算通りにはなりません。一応の目安として2600Kで5000時間、2200Kで2万時間程度の値が採用されています。

ランプの寿命を制限するものはフィラメント温度だけではありません。シール部温度が高い場合にはこれがランプ寿命を決定する要因になります(下図参照)。ランプ寿命が2000時間程度の場合、シール部温度が350℃以下であれば、この部分の耐熱が寿命を制限する要因にはなりません。350℃以上の場合、2000時間以内でシール部が破損して使用不能となります。

電圧の変化における諸特性変動

電圧
(%)
電力
(%)
光束
(%)
効率
(%)
色温度
(%)
寿命
(%)
12013318613110712
11512516112310520
11011613811510332
10510811810710252
100100100100100100
9592849398160
9085708696300
8070477293(1000)
7057305988(3000)
6045184784– – –
5033103678– – –

ハロゲンランプ(ヒーター)は消灯時は電気抵抗が点灯時の1/10近くになっています。そのため、点灯瞬時に大きめの突入電流が極短時間流れます。この突入電流はランプ寿命に悪影響しますので、長期間頻繁な点滅動作をさせる場合には電源電圧をスローアップさせます。スローアップ時間は1秒間程度です。

Item List

ランプ品目一覧

QIR

特徴近赤外線ヒーター・放射効率が良い
電力(W)200 – 30K
色温度(K)2000 – 3200
寿命(hr)200 – 4000

※設計値に限界があります。

J

特徴線光源・長寿命
電力(W)300-1500
色温度(K)2500
寿命(hr)2000

JP

特徴線光源・色温度が高い
電力(W)500-1000
色温度(K)3000
寿命(hr)200

JPD

特徴発光長が短い・ダブルエンド
電力(W)300-3000
色温度(K)3200
寿命(hr)150

JCD

特徴発光長が短い・シングルエンド
電力(W)300-2000
色温度(K)3200
寿命(hr)150

JCV

特徴片口金(ネジ式)・長寿命
電力(W)60-5000
色温度(K)2900
寿命(hr)2000

JC

特徴角型フィラメント
電力(W)30-300
色温度(K)3400
寿命(hr)50

JIS規格

品種特徴電力(W)色温度(K)寿命(hr)
QR部分発光・点滅使用200-1500300020万回
QIR近赤外線ヒーター・放射効率が良い200-600025004000
J線光源・長寿命300-150030002000
JP線光源・色温度が高い500-10003200200
JPD発光長が短い・ダブルエンド300-30003200150
JCD発光長が短い・シングルエンド300-20003200150
JCV片口金(ネジ式)・長寿命60-500029002000
JA耐震性大(ツインフィラメント)35-1003100150
JCR集光(コールド)ミラー付・色温度が高い50-250340050
JC角型フィラメント30-300340050